2015年8月15日土曜日

ショパンのベンチ


だるいんだけど ワルシャワ観光。 最近は少々町外れの安宿でGoogleMapのStreetViewを堪能していて、出歩くのが面倒になって来ていた。何もわざわざ出歩く必要なんて無いじゃないか、という鮮明な画像が携帯電話で見られる。しかしながら昨日は思い切って15PLNで都心部バス地下鉄トラム24h乗り放題の切符を購入し、ワルシャワ市内を散策して来た。市民カードが無い旅行客はバスに乗る毎にバスの運転手から直接チケットを購入するのだが。運転手が高いチケットしか持っていないと高いチケットしか買えなかったりして超不便。料金表はこちら


街でのお薦めは何と言っても音を奏でるショパンのベンチ。ベンチの裏側にブツブツ穴の空いたスピーカーがある。お高く止まっていたくせに可愛いことしてくれるじゃないの、とChopinを尻に敷いて一休み。がっつり一曲全て演奏してくれるかと思えばどのベンチも30秒程の区切りが良い所しか演奏しない。音がチャチなのがまた可愛い。全てのベンチのボタンをPushしたい、とベンチの為だけにあちこちを見て回る。演奏が長いと沢山の人がPush出来ないから短いのだな。


キュリー夫人博物館に入って見た。写真は斜め向かいの旧博物館。たった2部屋の展示場は入場料の11PLN(約400円)が滅茶苦茶に高く感じられるみすぼらしさで、失望する人の方が多いだろうな、と思わされた。どうしてそんなに苦しんでまで研究を続けられたのだろうか、何か強制されていたんじゃないかという気さえする。Reecho的に見るとキュリー夫人は、放射性物質が平和的なイメージを持つように仕立て上げられた広告塔。男が開発するよりずっと攻撃性が少ない気がしませんか皆さん。

ビスワ川に向かうキュリー夫人。




インフォメーションセンターに行けば観光に役立つ資料が一杯手に入る。大戦中に全壊した旧市街地が再現されている様なのに何だか安っぽい。この偽物感が返って本物ではない悲しみと戦争の恐怖を物語っている気もした。


毎時に兵士の交代式が見られるサスキ公園にも行って見た。墓守が兵士であることの悲しみをずっと語ってくれている様な気がした。そこにもショパンのベンチがあり、噴水を通過するとすぐ右手にもあった。誰かが奏でていないと気が付かないんじゃないかと思うくらいに地味で、凄い人気!と思わせられないと見逃してしまう。

去年オープンしたらしいユダヤ人博物館にも行って来た。全展示物の半分弱と資料室は無料公開されていて涼しい館内のレストランで食事をする人が多い。資料室にある10台程度のパソコンが誰にも使われていなくてしばらく動画資料を拝見させて頂いた。内容はこちら大学のデータベースもあり。クラコフではアウシュヴィッツを無料で見学したかったけれども、オンライン申請では信頼される現地人経由で申し込まないと受け付けられないらしく、問い合わせの為に150人以上がインフォメーションカウンターに並んでいた。大型バスが10台以上、車も100台程度見えてどんな魅力的な展示場なんだと思わされたが確かに恐ろしい雰囲気が漂っていて、イスラエルに拉致しただのと陰謀論ばかり気にしてしまうけれども実際にユダヤ人が沢山亡命している。リビブで会ったハーバード大学院生も元ポーランドに住んでいた家系だと言っていたけれども多分彼もユダヤ人だろう。逃げたからこそアメリカにユダヤ人が増えて世界を牛耳る駒に成れた訳だが、皆が陰謀を承知していればそもそも逃げることも無かっただろう。現在ウクライナからイスラエルに飛ぶ航空券は格別に安い。イスラエルに亡命するウクライナ人が増えていると思うけれども、彼等は逃げる(逃がす)方法を知っている。日本人は知らない。ワルシャワ郊外では沢山の中華系の人々が住んでいるのが見られるけれども、彼等も逃げ方を知っている。日本人は知らない。

どうせ皆死んでしまうのだから逃げたって同じこと、とあっさり腹を括り過ぎるのが日本人の悪い癖と言うか。往生際が良過ぎていけない。簡単に覚悟を決め過ぎる。「悪あがき」と言われても、最後迄常識や思い込みを裏切り続けるしたたかさと執念が欲しい。

毎週日曜日に無料でChopin Concertが開催されるそうだ。結構遠いけれどもまた街に出てみようかな、と思う。 →Events

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